ウブド・トゥンガー・コミュニティ「ウーマン・ケチャッ&ファイアー・ダンス」

Ubud Tengah Community「Woman Kecak & Fire Dance」

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女性コーラスによる初めてのケチャが始まりました。美しい声に合わせて、マハーバラタの物語を演じます。

こんにちは!バリ島ナビです。ケチャと言えばチャッ!チャッ!の掛け声を複雑に組み合わせた男性合唱として知られていますが、女性による初めてのケチャ・グループが2008年に誕生しました。「ケチャ・スリカンディ」というタイトルの公演では、マハーバーラタ物語からスリカンディがビスマを倒すまでのエピソードが演じられます。女性ならではの高音の効いた合唱と、男性にも負けない激しい動きがポイントです。演目の最後にファイヤー・ダンスもあります。
ガムラン楽器を一切使わず、人間の声のみによって舞踊劇の伴奏が行われるケチャ。宗教儀式の中で行われていた「チャッ!」という掛け声のみの合唱をもとに、1930年代にドイツ人画家ワルター・シュピースの手によって舞踊劇入りの合唱としてアレンジされ、その原型が作られたそうです。現在では、ポレンと呼ばれる白黒格子柄の布を腰に巻いただけの、上半身裸の男性集団が、数列の円陣を組んで座って、手をヒラヒラさせながら合唱し、その円陣の中央には火が灯され、火を囲む様に踊り手が踊って、合唱にあわせて舞踊劇が進みます。コーラス隊は数十人にのぼり、中には百人以上の大規模なケチャのグループもあります。

ただし!ウブド・トゥンガー・コミュニティーは女性ケチャ。残念ながら上半身は胸まできちんと隠した衣装になっておりまして、殿方諸君、残念・・・。男性のケチャ衣装と同じく黒いサロンを腰に巻いていますが、赤みがかったバリの絣で上半身を覆った形にアレンジしてあります。オーソドックスなケチャの衣装に使われる白黒格子柄のポレンは、折りたたんで胸にシッカリと巻いてあり、耳に真っ赤なハイビスカスの花を挿すのも忘れていません(この2つのアイテムは魔除けの意味も兼ねている)。少し不思議なのは、全員が肌色のTシャツを下に着用していること。バリ舞踊では肩を出すのが普通だし、結婚式の衣装も肩出しは頻繁に見るので、何故このような野暮ったいスタイルなのかは不明でした。独身と婚姻者の違いなのでしょうか。
ケチャの途中では、髪の毛を持ってユラユラさせる変わった場面も。長い髪の毛をかき上げるなんて、男性ケチャじゃ絶対に真似できません。コーラス隊は女性だけで頑張っていますが、台詞を唄って物語を進めて行くのは男性の声でした。踊り手にも男性が入ります。女性だらけの会場ではないので、男性客も御心配なく…?

公演会場

プログラム

通常のケチャでは、ラーマヤナ物語の中の、白い猿ハノマンが登場する「シータ姫の誘拐」シーンを取りあげますが、この公演の中では、敢えてマハーバーラタ物語から題材を取って変化を持たせています。お話は、以下のとおりです。

オープニング

女性ケチャ隊が、カーシー王国で盛大に行われている花婿選びのイベント「ソヴァヤムヴァラ」の喜びの様子を表現しながら入場してきます。
暗闇から続々と現れるケチャの女性たち。「チャッ!チャッ!チャッ!」の掛け声とともに、どんどん湧いて出るように階段から降りてきます。一旦ストーリーが止まり、マンクー(僧侶)によってケチャ隊に聖水がかけられます。

カーシー王女たちの略奪

みなさん真剣です

みなさん真剣です

女性の腕なだけに美しい

女性の腕なだけに美しい

カーシー王国の王は、長女のアンバを筆頭に、次女アンビカ、三女アンバーリカという名の3人の美しい娘を持っていました。王は適齢期を迎えた王女たちに、それぞれ最良の結婚相手を見つけたいと願い、全ての国から国王たちを招待して、花婿選びのコンテストである「ソヴァヤムヴァラ」を開きました。

美しい王女たちの放つ光と、華やかな衣装、身に付けた宝石や、飾られた広間の色とりどりの装飾が相まって、「ソヴァヤムヴァラ」の会場は明るく輝いています。
アンバ王女役の麗しい女性

アンバ王女役の麗しい女性

三姉妹で仲良く踊ります

三姉妹で仲良く踊ります

そこへ、やはり適齢期を迎えた実弟の結婚相手を探す目的で、ハスティナ王国のビスマがやって来ます。
「コンテストで私と戦う勇気のあるものは、前に出て挑戦し、この手から王女を奪って見ろ」ビスマはそう告げると、美しい王女3人をその手で一人ずつ捕えて馬車へと強制的に押し込みました。しかし、強いビスマの敵になれるような勇気のある王は名乗り出ません。ビスマは、そのまま王女たち全員をハスティナ王国へ連れ帰ることに成功します。
ビスマが登場し、不穏な空気に

ビスマが登場し、不穏な空気に

ビスマの馬車で略奪

ビスマの馬車で略奪

馬車を模したケチャ隊が、ビスマとともに移動します。なんと、馬の先頭(左側)は、スマラ・ラティの看板踊り子、アノムさんの奥さんでアユさんですね。村の奥さま集団が出演するケチャなので、こういう難しいシーンでは、タイミングがわかる踊り子が先頭に立って指揮をとり、皆を後に続かせるようです。

アンバ王女の請い

ハスティナ王国へ到着すると、長女のアンバ王女は将来の夫となるサルバ王の元へ自分を返して欲しいとビスマに願いを請います。

ビスマは尊厳を持ってアンバ王女を送り返しましたが、サルバ王は彼女を受け取るのを拒否します。サルバによって拒否されたアンバ王女はビスマの元へ戻り、自分の事を妻にして欲しいビスマに願い出ますが、ビスマは生涯を独身で過ごす誓いをたてていたため、その願いを叶えてやることができません。
悲しみのアンバ

悲しみのアンバ

こんな眼差しで迫られて、嫁にしないなんて…

こんな眼差しで迫られて、嫁にしないなんて…

しかし、アンバ王女は執拗にビスマを追い続けてくるのです。ビスマは、彼女が自分に近づかないようにできないかと考え、わざと弓矢を放って怖がらせようとします。ところが不運にも、放たれた矢が、誤ってアンバ王女に当たってしまいます。傷を負ったアンバ王女は「生まれ変わって、この死の報復をする」と呪いの言葉を残しながら亡くなります。悲しんだビスマは「時が来たら、わたしの命をその手で奪うように」とアンバ王女に向かって約束します。

ビスマの死

その後、女性戦士スリカンディという名で生まれ変わったアンバ王女は、バタラ・ユダの大戦が起こったときに、ビスマの目の前に現れます。
パンダワ一族と戦うコラワ軍、その司令官として任命された聖者ビスマは、パンダワ一族のアルジュナに護衛されたスリカンディに逢った瞬間、突然、その武器を落とします。スリカンディは、ビスマが倒れるまで何千本もの矢を放ち続けて、物語は終了します。

ファイヤー・ダンス

さらに、短いファイヤー・ダンスが最後に行われます。ヤシの葉などで作った、馬を模した人形を跨いだおじさんが、マンクーと共に登場。用意されたヤシの実の外皮に油をかけて点火すると、パシパシと音を立てて勢いよく燃え始めます。物語性は無く、トランス状態に入った演者が、熱いのも感じずに、火の上を走りまわるという設定です。客席近くまでヤシの燃えカスが飛んできますが、脇に控えているスタッフが、T字型のトンボで、きちんとかき集めてくれるので、安全です。

おしまい

最後に女性ケチャ隊と、踊り子さんの挨拶があります。が、ファイヤー・ダンスの燃えカスから煙が出て、なかなか写真が撮れない・・・
モヤっていて、ごめんなさい

モヤっていて、ごめんなさい

何とかキレイな笑顔が取れました

何とかキレイな笑顔が取れました

重たいお供え物を軽々と頭に載せて、スタスタと歩くバリ女性。「ジェンブ、シェンエン!(全部1000円!)、安イヨー!」と大きな声で土産物屋の呼びこみをするバリ女性。そんな姿を見ていると、とてもパワーを感じますね。旅行中に、暑くてホテルでダラダラしてばかりで、どうも元気が出てこないわ・・・という時には、「ケチャ・スリカンディ」へ、バリ女性のパワーを分けてもらいに出かけてみてはいかがでしょう。

以上、バリ島ナビでした。

記事登録日:2009-06-19

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スポット登録日:2009-06-19

スポット更新日:2010-11-19

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